臨床医学総論Ⅰ

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授業コードa202n520
科目分野専門基礎
科目名臨床医学総論Ⅰ
科目責任者北村 圭司
実務経験
配当年次2年  
開講期前期
履修区分必修
昼間部・夜間部の別夜間部
授業方法講義
曜日・時限金曜日・1時限目もしくは2時限目
単位数2
時間数40
授業概要近年、はり師,きゅう師が他の医療職と共に働く機会が増加し、チーム医療の一端を担うケースが増加している。
その際、他の医療職種との共通言語として医療用語を理解し、スムーズに現場に適応する必要があるため、この授業を通して、西洋医学の医療用語とその意味を修得する。
一般学習目標 GIO1.はり師、きゅう師として診察に必要な知識を修得できる。
2.疾患の鑑別に必要な臨床的知識を修得できる。
3.鍼灸の適応を見極めることができる。
4.他職種連携の際に重要な医療用語を理解できる。

授業計画
【第1回】
授業内容診察の概要
診察の意義,心得,関連用語
教科書P1~4
個別目標診察の意義,手順を理解することにより、診察のイメージをつかむことができる。
診察に必要な事項を理解し、整理することができる。
予習教科書P1~4までを読み、診察の流れについて現在までの経験を想起し、不明であった事項についてまとめる。(60分)
復習診察で行う事項を整理し、診察の意義を理解する。
インフォームドコンセント等の医療関連用語を理解し、適切に使用できるよう理解する。
本日学習した内容に関して、最も印象に残ったポイントをムードルにコメントする。(53分)
【第2回】
授業内容診療録の記載内容、記載方法
診療録記載の注意点
教科書P4~17
個別目標診療録がなぜ必要となるかを学び、診療録の適切な記載内容について理解することができる。
身体診察で観察すべき事項について理解できる。
予習身体診察において観察する事項について整理する。(60分)
復習SOAPとは何かを理解し、診療録の記載内容について選別する。
教科書P18が重要。
本日学習した内容に関して、最も印象に残ったポイントをムードルにコメントする。(53分)
【第3回】
授業内容問診、視診、聴診、打診の方法と正常所見と異常所見
教科書P9~27
個別目標医療面接,視診,触診,打診,聴診の実施時の注意事項について整理し、理解することができる。
各診察の際に得られる正常な状態を理解し、異常な所見との違いを理解できる。
予習医療面接,視診,触診,打診,聴診について実施の意義と方法をまとめる。
医療面接について現在までの受けた経験を想起する。(60分)
復習診察における正常な状態を理解し、異常所見を整理する。
診療録の記載項目について適切な記載ができるよう各項目の記載事項を整理する。
本日学習した内容に関して、最も印象に残ったポイントをムードルにコメントする。(53分)
【第4回】
授業内容生命徴候(バイタルサイン)の診察、生命徴候の正常値、異常値やその原因
教科書P29~39
個別目標生命徴候とは何かを理解できる。
生命徴候(バイタルサイン)の正常値、異常値を理解し、原因ごとによる異常値を示す理由が理解できる。
予習生命徴候に分類されるものをを理解する。
各生命徴候(体温,脈拍,血圧,呼吸)の正常な状態を整理する。(60分)
復習生命徴候(体温,脈拍,血圧,呼吸)が疾患により異常値を示す際の原因を整理する。
血圧の測定方法について理解する。
本日学習した内容に関して、最も印象に残ったポイントをムードルにコメントする。(53分)
【第5回】
授業内容全身の診察
1.顔貌、顔色
2.精神状態(意識状態,知能,関上,協調性,見当識)
3.言語の異常(構音障害,失語症)
教科書P42~47
個別目標各疾患における顔貌,顔色,精神状態,言語の異常を理解でき、正常な状態との違いを理解できる。
日本昏睡尺度における意識レベル分類法を理解できる。
予習仮面様顔貌,満月様顔貌の特徴について調べる。
構音障害を呈する原因について調べる。(60分)
復習仮面様顔貌,満月様顔貌を呈する疾患についてなぜ諸症状を起こすのか整理する。
本日学習した内容に関して、最も印象に残ったポイントをムードルにコメントする。(53分)
【第6回】
授業内容全身の診察
4.身体計測
5.体型、体格の異常
6.栄養状態
教科書P48~51
個別目標体型、体格に異常をきたす疾患の名称を覚えることができる。
各疾患における体型、体格の異常を理解し、正常な状態との違いを理解できる。
予習標準体重を算出する方法について一般的に使用されている指標を調べる。
調べた指標における自身の数値を算出する。(60分)
復習四肢長について計測部位ごとの指標を整理する。
巨人症を起こす疾患について整理する。
本日学習した内容に関して、最も印象に残ったポイントをムードルにコメントする。(53分)
【第7回】
授業内容全身の診察
7.姿勢と体位
8.歩行の異常
教科書P52~63
個別目標姿勢の異常をきたす疾患の名称を覚えることできる。
歩行の異常をきたす疾患の名称を覚えることできる。
予習異常歩行と疾患名について組合せて整理する。
脳血管障害について調べる。(60分)
復習マン・ウェルニッケ肢位の原因と肢位についてまとめる。
パーキンソン病での特徴的肢位についてまとまる。
異常歩行と疾患について組合せて整理する。
本日学習した内容に関して、最も印象に残ったポイントをムードルにコメントする。(53分)
【第8回】
授業内容全身の診察
9.皮膚・粘膜・皮下組織の異常
10.爪の状態
11.リンパ節
12.その他の一般的状態
教科書P65~70
個別目標爪、リンパ節、食欲、睡眠、便通、排尿の異常をきたす疾患の名称を覚えることできる。
排便反射について理解できる。
睡眠時の脳波について理解できる。
予習健常者の爪の状態をまとめ、自分に爪を観察する。
リンパの走行についてまとめる。
健常者の排尿量について調べる。(60分)
復習スプーン状爪を呈する疾患についてまとめる。
過敏性腸症候群についてまとめる。
睡眠時の脳波についてまとめる。
本日学習した内容に関して、最も印象に残ったポイントをムードルにコメントする。(53分)
【第9回】
授業内容まとめと解説
教科書P1~70
個別目標診察の手順、全身の異常所見を理解し、患者の状態を把握することができる。
診察の手順から注意点、生命徴候、全身の診察についての国家試験関連問題に答えることができる。
予習診察の流れを確認し、手順よく診察でいる流れをイメージする。(60分)
復習全身の所見を再確認し、各場所の異常な状態を整理する。(53分)
【第10回】
授業内容局所の診察
1.頭部
2.顔面
3.眼
4.鼻
5.耳
教科書P72~79
個別目標頭部、顔面、眼、鼻、耳の異常について理解できる。
顔面の麻痺について原因別に理解できる。
視野の異常について原因別に理解できる。
眼球運動を主る筋について理解できる。
予習末梢性顔面神経麻痺の原因について調べる。
流行性耳下腺炎の原因について調べる。
聴覚に伝導路について調べる。(60分)
復習眼瞼にみられる異常所見について原因をまとめる。
ホルネル症候群について所見をまとめる。
下垂体性巨人症についてみられる視野障害についてまとめる。
本日学習した内容に関して、最も印象に残ったポイントをムードルにコメントする。(53分)
【第11回】
授業内容局所の診察
6.口腔
7.頸部
8.胸部
9.乳房
10.肺・胸膜の診察
教科書P79~87
個別目標口腔、頸部、胸部、乳房、肺・胸膜の異常について理解できる。
軟口蓋の異常について理解できる。
髄膜刺激症状について理解できる。
胸郭の異常について理解できる。
呼吸音の異常について原因別に理解できる。
気胸について理解できる。
予習口腔内の構造について調べる。
甲状腺の機能について調べる。
気管支喘息について調べる。(60分)
復習正常な呼吸音についてまとめる。
女性化乳房の原因についてまとめる。
髄膜刺激症状の種類についてまとめる。
本日学習した内容に関して、最も印象に残ったポイントをムードルにコメントする。(53分)
【第12回】
授業内容局所の診察
11.心臓
12.腹部
13.背部
教科書P88~99
個別目標心臓、腹部、背部の異常について理解できる。
正常な心音について理解できる。
赤色皮膚線条について理解できる。
腹部の圧痛点について理解できる。
側湾症について理解できる。
予習クッシング症候群について過去の学習内容を見直す。
虫垂炎について調べる。
腹膜刺激症状について調べる。(60分)
復習正常な心音についてまとめる。(どの弁がどうなったか。)
虫垂炎の圧痛点を図示する。
腹水の原因についてまとめる。
側湾症の装具についてまとめる。
本日学習した内容に関して、最も印象に残ったポイントをムードルにコメントする。(53分)
【第13回】
授業内容局所の診察
14.四肢の変形 教科書P100~104
神経系の診察
感覚検査法
教科書P105~108
個別目標四肢の変形と原因疾患を組合せて理解できる。
感覚検査法の意義と方法を理解できる。
各感覚の伝導路の名称を理解できる。
脊髄神経デルマトームと関連痛について理解できる。
予習末梢神経とは何か調べる。
下肢上肢の変形について調べる。
解剖学において学習した感覚の伝導路を確認する。(60分)
復習ヘルニア等で障害されやすい神経根領域(C6、C’7、C8、L5、S1)の脊髄神経節デルマトームを見直す。
各感覚の伝導路の名称をまとめる。
本日学習した内容に関して、最も印象に残ったポイントをムードルにコメントする。(53分)
【第14回】
授業内容神経系の診察
反射検査 → 表在性反射、深部反射、自律神経反射、病的反射 教科書P113~122
個別目標深部反射について理解できる。
深部反射の異常について理解できる。
病的反射について理解できる。
自律神経反射について理解できる。
予習深部反射の求心路、遠心路について調べる。
表在性反射の種類について調べる。
病的反射の種類をまとめる。(60分)
復習自律神経反射についてまとめる。
錐体路障害、下位運動ニューロン障害時の深部反射についてまとめる。
深部反射の求心路と遠心路についてまとめる。
本日学習した内容に関して、最も印象に残ったポイントをムードルにコメントする。(53分)
【第15回】
授業内容脳神経系の検査 教科書P123~125 髄膜刺激症状検査
教科書P126
個別目標脳神経の機能について理解できる。
脳神経の異常時の所見について理解できる。
髄膜刺激症状について理解できる。
予習脳神経の機能について解剖学的にまとめる。
対光反射、輻輳反射、ウェーバー検査、リンネ検査について反射弓を調べる。
髄膜刺激症状の検査についてまとめる。(60分)
復習三叉神経の走行、障害についてまとめる。
内耳神経の障害、検査についてまとめる。
外眼筋群の支配神経についてまとめる。
本日学習した内容に関して、最も印象に残ったポイントをムードルにコメントする。(53分)
【第16回】
授業内容運動機能検査
運動麻痺の分類 筋肉の異常
筋萎縮、仮性肥大 不随意運動
協調運動
起立と歩行
教科書P120~141
個別目標運動麻痺の種類について理解できる。
上位・下位運動ニューロン障害時の反射について理解できる。
筋肉の異常について萎縮、筋緊張の亢進する疾患を覚えることができる。
不随意運動の種類について理解できる。
協調運動の検査について覚えることができる。
予習上位・下位運動ニューロンとはなにかについて調べる。
仮性肥大について調べる。
パーキンソン病、小脳疾患での振戦について調べる。(60分)
復習筋強剛/筋固縮についてまとめる。
協調運動の検査についてまとめる。
登はん性起立を呈する疾患について調べる。
本日学習した内容に関して、最も印象に残ったポイントをムードルにコメントする。(53分)
【第17回】
授業内容関節可動域検査
徒手筋力検査
日常生活動作/ADLについて
教科書P142~144
個別目標各関節の可動に関与する筋を理解できる。
筋力検査の意義について理解できる。
ADLについて理解できる。
予習肩関節、股関節の可動方向について調べる。
ダニエルスらによる6段階法について調べる。(60分)
復習ダニエルスらによる6段階法を書く。
各関節の可動に関与する筋をまとめる。
ADLとそうでないものを分類する。
本日学習した内容に関して、最も印象に残ったポイントをムードルにコメントする。(53分)
【第18回】
授業内容徒手による整形外科学的検査法徒手による整形外科学的検査法
頸部・胸部の検査
肩関節の検査
腰・下肢の検査
膝関節の検査
個別目標各部位の徒手による整形外科学的検査法の主なものを理解することができる。
各検査の検査方法を理解することができる。
各検査の陽性所見を理解することができる。
予習各関節の解剖学的な形状について調べる。
各関節周囲の血管や神経の走行について調べる。(60分)
復習各検査の陽性所見をまとめる。
各検査と陽性時の疾患名について組合せる。
本日学習した内容に関して、最も印象に残ったポイントをムードルにコメントする。(53分)
【第19回】
授業内容まとめと解説
教科書P71~151
個別目標診察に必要な局所の異常所見を理解することができる。
局所の異常所見と疾患名を組合せることができる。
神経系の診察方法を理解できる。
整形外科学的検査法の意義と方法と陽性所見を理解できる。
予習西洋医学的な病態把握に必要な各部位の異常所見について調べる。(60分)
復習西洋医学的な病態把握に必要な異常所見等の国家試験関連問題に解答する。(53分)
【第20回】
授業内容臨床検査法
教科書P157~180
個別目標尿検査の検査事項について理解できる。
血液生化学検査の検査事項について理解できる。
尿検査、血液生化学検査における基準値について国家試験出題のものに関して理解できる。
予習尿検査の臨床的意義について調べる。
血液生化学検査の臨床的意義について調べる。
腫瘍マーカーと関連疾患について調べる。(60分)
復習糖尿病の血液生化学検査についてまとめる。
ネフローゼ症候群の尿所見についてまとめる。
腫瘍マーカーと関連疾患についてまとめる。
本日学習した内容に関して、最も印象に残ったポイントをムードルにコメントする。(53分)

試験実施月日試験期間時間割に準ずる
評価の基準・方法各授業後のコメント点18点(1点×18)、確認テスト点32点、期末試験50点として評価する。
教科書
参考書・参考資料「臨床医学総論」 東洋療法学校協会編
受講要件
コメント各種症状の出現する原因,生理学的機序を理解することにより、鍼灸の適否を見極めるための知識の修得を目指す。解剖学的知識の確認等も行うため常時出席が望ましい。
オフィスアワー授業終了後、教室にて